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香川真司 9年前

香川、突然の出番激減は2つの理由から。またも訪れた試練と指揮官トゥヘルの思惑

text by 本田千尋 photo by Getty Images

戸惑いを隠せない新たな役割

 そして、中盤の人員が豊富になり、競争が激しくなる一方で、トゥヘルは新しい布陣にも積極的に取り組んでいく。左SBが高い位置を取って、DFラインは3バックを形成する。ウイングのロイスが2列目に降りて、香川とツー・シャドウを組む。2月18日のヨーロッパリーグ、ポルト戦から取り組みが始まったこの布陣は、表記にすると3-1-4-2といったところだ。

 この布陣でトゥヘルは、香川に対して「CBとボランチの間でボールを受けて欲しい」と要求する。左サイドを上下に大きく移動し、味方のSBとCBの間でボールを受けることもあったインサイドハーフとは、求められるものが違う。

 2月25日のポルト戦の後で、香川は「ここのトップ下はなかなか難しいですね。正直」と言う。四方からのプレッシャーが激しいバイタルエリアで、ボールを受けることは簡単ではない。香川自身、後半戦に入ってからの新しい役割に少なからず戸惑いがあるようだ。2月28日のホッフェンハイム戦の後では、次のように述べた。

「バイタルで受けたら、ボールを受けた後の展開だったり、何か違いを求められるポジションなので、そういうのを意識しすぎている部分はあるし、ボールを受ける前であったり、受けた後に、どうしても、うーん…迷いがあるというか、そういうのを持って試合に入っているところが少なからずある」

 それでは試合を重ねるごとに、新しい役割について整理をして技術を成熟させていけるかというと、メンバー選考に「毎週」評価を下すトゥヘルは、前半戦に比べて積極的にローテーションを組み、対戦相手ごとにメンバーは変わった。

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