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香川真司 9年前

香川、突然の出番激減は2つの理由から。またも訪れた試練と指揮官トゥヘルの思惑

今季、トーマス・トゥヘル新監督のもとで新たなスタートを切ったボルシア・ドルトムント。その前半戦、香川真司は不可欠な存在としてチームの勝利に貢献した。しかし、後半戦に入るとその出番が激減。その理由には充実する選手層とチームの成長を目指す指揮官の思惑があった。(取材・文:本田千尋)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

前半戦とは一変した「状況」

トーマス・トゥヘル
トーマス・トゥヘル監督【写真:Getty Images】

 突然の出来事だった。2016年2月6日のブンデスリーガ第20節、アウェイのヘルタ・ベルリン戦で、香川真司がベンチ外となった。

 8日付の『キッカー』誌が、ヘルタ戦のレビュー記事を、試合内容ではなく香川がベンチ外となったことを中心に取り扱ったように、この監督トゥヘルの措置はちょっとしたインパクトを残した。

 前半戦を振り返ると、リーグ戦に限っても17試合の全てに出場し主力級の活躍を見せていただけに、香川のベンチ外は、誰にとっても驚きを隠せないものだったのだ。

 もっとも、ウインターブレイクの終わりに胃腸炎にかかり、初戦のボルシアMG戦は90分間をベンチで過ごしている。続くインゴルシュタット戦は55分で途中交代となる。直近の香川の状態も、芳しいものではなかった。

 ヘルタ戦の翌週、8日の会見でトゥヘルは「毎週新しい競争があること」について言及している。後半戦に入るにつれて、カストロ、ライトナー、シャヒンも状態を上げてきた。プリシッチやパスラックといった若手の台頭もある。中盤の争いが激しくなる中で、トゥヘルは「毎週」評価を下す。そのような状況で、トゥヘルと対話を交わした上で、香川はベンチ外となった。

 13日のハノーファー戦の後に、香川は「個人的にもこういう状況にまた打ち勝つために、どうしたらいいのかっていうのもまた戦い」と口にした。香川が「こういう状況」と言うように、「状況」は、前半戦とは一変した。

 ヘルタ戦のベンチ外は、つまり、安泰はどこにもないということだった。いくら前半戦に活躍しようとも、過去のものとして忘れる必要があった。気付けば周囲の状況は、昨年とはまるで違うものとなっている。

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