フランツ・ベッケンバウアー氏【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)の倫理委員会は22日、ドイツW杯招致における不正な活動について正式な手続きに基づき調査を開始すると発表した。
今回の調査で対象になるのは6人で、いずれも2006年のドイツW杯招致において不正を働いた疑いがかけられている。 またヴォルフガング・ニーアスバッハ氏は無実を主張しながら、昨年11月にDFB会長を辞職して事態の収拾を図っていた。同氏とヘルムト・サンドロック氏はFIFA倫理規約違反が問われている。
それ以外の4人はW杯招致のため不正な金銭授受に関わった容疑で調査対象になった。特にフランツ・ベッケンバウアー氏は、別の汚職で告発されている北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)元会長ジャック・ワーナー氏との間に票の買収に関して密約があったとされる。
DFBの独立委員会は今月4日に調査結果を公表しており、その際は証拠不十分でW杯開催地決定のための投票で買収が行われたかについて否定も肯定もできないとの見解を示していた。しかし、この調査では重要な参考人が協力を拒んでいたため、一部の書類や電子ファイルが封印されたままになっていた。
改めてFIFA倫理委員会の調査対象になった人物と肩書きは以下のとおり。
ヴォルフガング・ニーアスバッハ氏
前DFB会長、ドイツW杯組織委員会副会長、FIFAおよびUEFA理事
ヘルムト・サンドロック氏
元DFB事務局長、ドイツW杯大会ディレクター
フランツ・ベッケンバウアー氏
元DFB副会長、ドイツW杯組織委員会会長、元FIFA理事
テオ・ズワンツィンガー氏
元DFB会長、ドイツW杯組織委員会副会長、元FIFAおよびUEFA理事
ホルスト・R・シュミット氏
元DFB事務局長、ドイツW杯組織委員会副会長
ステファン・ハンス氏
元DFBおよびドイツW杯財務責任者
(文:舩木渉)
【了】