“汚れ仕事”に徹した本田。守備も全力でカバー
ただ、ミスには明確な理由があることは認識されなければならない。ミスはほぼ後半に集中していた。それはつまり、体力が持たなくなったということである。記者会見では地元記者から本田、そしてボナベントゥーラの状態を問う質問が飛んだが、ミハイロビッチ監督はこう答えた。
「彼らは“汚れ仕事”を相当やってくれている。攻撃面での鋭さには欠けたが、あれだけエネルギーを費やしていれば疲れてくるものだし、溌剌とキレがプレーにも失われてくるのも仕方がない。ただアウトサイドには、他に手がない。彼らが立っていられる限りは、頑張ってもらわなければならない」
“汚れ仕事”とはつまり、ボールを持たないところでのハードワークである。これまでの数試合と同様に、本田は戦術上の要求に従い走りまくっていた。
SBイニャツィオ・アバーテが上がればその裏をカバー、2枚のセントラルMFが前か左に飛び出せば、中央に絞ってスペースを埋める。相手が攻めて来れば下がって2ラインの形成に努め、カウンターを食らって数的に不利になると読めば全速力で戻って最終ラインのカバーにまで入っていた。
ボールを持っていないところでの動きは、攻撃面でもまた激しかった。中盤に絞り、パスを離した後で決して止まってはいない。そのまま前線をフォローしたり、あるいは右サイドのスペースへと飛び出す。彼はこうした動きを連続して行い、チャンスの創出に努めていた。
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