「距離感があんまり良くなかった」
香川真司は、もがいている。2016年3月20日のブンデスリーガ第27節、ボルシア・ドルトムントはFCアウクスブルクとアウェイで戦う。先発の香川は2列目で、主にツー・シャドウを務めた。
敵将ワインツィアルが「最初の40分はプランを上手く実行した」と手応えを感じたように、5-2-3で引いたアウクスブルクにBVBは手を焼いた。3-1-4-2でボールを回そうとするが、コンパクトな守備に苦しむ。
香川は「距離感があんまり良くなかった。受けても不利な状況で、パスの回りが良くなかった」と振り返る。
そして18分、先制を許す。左サイドへの一発のロングボールから、ゴール前に繋がれて、フィンボガソンに押し込まれた。0-1。
内容も試合展開も悪い中、ドルトムントはじっくりと丹念にボールを回した。チャンスを掴もうとする。
32分。エリアの手前で香川が、右サイドのピシュチェクに大きく展開する。ピシュチェクのクロスを、ラモスが頭で合わせる。左に外れる。
41分。ムヒタリヤンの浮き球のパスに、エリア内でロイスがシュートを打つが、GKマニンガーにブロックされる。
BVBは、根気強くゴールに迫った。
そして45分。ムヒタリヤン、ロイス、シャヒンの3人で中央を崩す。最後はムヒタリヤンが左足で、繊細に押し込んだ。1-1。
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