残念だった主審のパフォーマンス
重心が前に移ったことでビジャレアルはFWセドリック・バカンブのスピードがより生きるようになり、対峙するバルサのCBジェラール・ピケが度々裏を取られる状況となった。
そして前半に警告を受けていたピケは、主審のホセ・マリア・サンチェス・マルティネスがカードを乱発していたこともあり、2枚目を危惧してかマテューと交代。その直後にバカンブに追撃となる1点を決められ、63分にはCKからマテューがオウンゴールを献上してしまう。
前半に見られたビジャレアルのハイレベルな戦術は、形を変えて後半にさらに高まった。後半の45分間は、バルサの名手たちもその力を発揮するチャンスがないままとなっていた。
CLではアーセナルという世界有数のビッグクラブがなす術のないまま敗戦を喫したバルセロナを相手に、ビジャレアルは互角以上のパフォーマンスを見せた。スペインでは多くの優秀な指導者が生まれ、他国リーグに渡った選手は違いを生み出す存在となっている所以がわかる。
ただ1つこの好試合で残念だったのは、疑問の残る判定を繰り返し、イエローカード12枚を提示した主審のパフォーマンスだった。
(文:海老沢純一)
【了】