対するはラツィオ。まさかのEL敗退も難敵には変わらず
対戦するラツィオだが、こちらも非常に大変な状況である。17日に行われたELスパルタ・プラハ戦第2レグでは、なんと序盤にホームで3点を喰らって敗れた。
守備の慢性的な脆弱さと心理面での崩落ぶりに修正が効かず、昨季は3位にチームを押し上げた戦術家のステファーノ・ピオーリ監督の評価もガタ落ち。ミラン戦に敗れれば、シーズン終了を待たずに解任されるのではなどとも報じられている。
とはいえ、前線と中盤には選手の駒が揃っており手強いチームに変わりはない。本田が位置する右サイド、つまりラツィオの左には、昨季はセリエAを席巻したドリブラーのフェリペ・アンデルソンと、イタリア代表のインサイドMFマルコ・パローロがいる。モントリーボやアバーテをサポートし、中盤のプレスでこの連動を絶てるかどうかがまず一つのポイントだ。
そして奪ったボールはカウンターに持ち込む。プレスを効果的に行うため、ピオーリ監督は組織守備のために最終ラインを高めに張らせる。だが最近の試合では、その分後ろにスペースをガラ空きにするという不安定さの方が目立った。
そこをいかに、攻守の入れ替えから突くことができるか。「スピードがない」というイメージがイタリアでも付けられている本田だが、瞬発力の勝負はともかくロングカウンターではマーカーに走り勝って前に出るシーンも多い。それこそ昨季の開幕戦ゴールのように、的確な展開の読みで前線をフォローし、ゴールへと絡みたい。
ハードワークをゴールに結びつける攻防一体のプレー。そうやって結果を出し、名誉会長も現在の戦いぶりを評価せざるをえなくなるような方向へと持っていければ良いのだが…。
(取材・文:神尾光臣)
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