トップ下熟練へ、起用の法則は破られるか
そして香川が先発となれば、ポジションはトップ下だろう。現在トゥヘルが重点的に取り組む、ロイスとツー・シャドウを組む布陣である。ドルトムントが2位の座をほぼ盤石なものとし、こちらの圧倒的な攻撃に対して、相手が引いてくることが考えられるのであれば、アウクスブルクはバイタルエリアでの違いの創出が求められる香川のトップ下をさらに熟練させる格好の相手と言えそうだ。
マインツ戦で香川は、プレッシャーの中での、ボールを受ける動きの質やファーストタッチを意識したという。フィジカル面を考えると、相手を背負ってボールを受けることは得意ではないと香川は言う。
対アウクスブルク戦では引き続き、ホン・ジョンホとクラヴァンの長身CBコンビを背にして、プレッシャーをどのように交わし、ボールを受けて違いを創れるか。そういったところが重要になるだろう。
同時にオフ・ザ・ボールの動きの質は、ボールを受けるためだけではなく、味方のチャンスを演出するためにも、重要となるに違いない。動きの質を深めるための相手として、アウクスブルクを利用するのである。
20日のアウクスブルク戦では、トゥヘルの起用の法則が破られ、アウェイのリーグ戦で香川は初の先発となるだろうか。
いずれにせよ、出場機会が巡ってきたら、貴重な時間を、さらなる進化のための契機としたいところだ。
(取材・文:本田千尋)
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