ユニフォームにミニスカートを採用
1点目は、ユニフォームをより“女性らしく”することだ。
2008年11月、オランダの「FCデ・ラクト」というクラブが大きな注目を集めた。選手たちの要望によってユニフォームにミニスカートを採用したのだ。当初は規則に反するということでオランダサッカー協会の反対を受けていたが、スカートの下にホットパンツを履いていることから最終的に許可。
この決定によってクラブの人気は爆発的に上がったという。選手いわく「従来の男性向けショーツよりもはるかに優雅だし、より快適だ」とのことで、スカートだから動きづらいということはないようだ。
スカートは極端な例かもしれない。だが、“女性らしさ”を押し出したユニフォームを試験的に取り入れるのは一考の価値があるのではないか。ここで、ゴルフの例を紹介したい。
「男性の趣味」というイメージが強かったゴルフだが、近年は女性の間で人気が急増しているという。その理由のひとつに宮里藍や上田桃子といった、華やかな色使いと洗練されたデザインのウェアを身にまとった女子プロゴルファーの出現が女性たちのゴルフへの関心を高めたと言われている。
日本サッカー協会前専務理事の平田竹男氏は著書『なでしこジャパンはなぜ世界一になれたのか』において、専務理事として女子サッカーに携わっていたときに重視していたことは「勝利」「資金」「普及」の3つをバランスよく発展させるということであり、「あまり裾野が広くない女子サッカーの場合には、単に『勝利』を目指すだけでなく、競技人口や関心層を広げる『普及』がどうしても必要だと考えていました」と記している。
普及のために重要なカギは、女性からの人気を獲得することである。スポンサーとサポーターの2つの視点から女子サッカーの歴史を記した石井和裕氏の『サポーター席からスポンサー席から:女子サッカー 僕の反省と情熱』に「同性の支持を得られない女性スポーツは普及しない」とある。私はこの意見に同意する。