周囲も驚いた意識の変化
具体的には、昨年12月19日のエバートン戦から、よりゴールに近い位置で「点を取ろうという意識を強くした」。この試合で岡崎は1得点+PKを獲得するなど、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せて、地元マスコミをうならせた。
元々、今季の岡崎のスタンスは「プレミアに慣れること。そしてハードワークでチームに貢献して、信頼を得て試合に出ること」を前提に、そのうえでゴールを増やしていければと考えていた。しかし自身の狙いとは裏腹に、10月下旬ごろから1月初旬にかけて、クラウディオ・ラニエリ監督は「修繕屋」のニックネームよろしく、岡崎とレオナルド・ウジョアを交互に起用する機会が多くなった。
守備や組み立てでの貢献度は高いとはいえゴールに絡むシーンが少ない岡崎に対して、前線でのポストプレーや高さのあるウジョア。どちらも献身的にチームに貢献するのだが、指揮官にとってはどちらも“帯に短したすきに長し”であった。
だが前述のエバートン戦に向けたトレーニング時から、岡崎はアグレッシブさを前面に押し出していくことを決断。「周りは『どうした』みたいな感じ」だったと驚いていた。これが奏功して、その後1月中旬まで、岡崎は出場した公式戦で2戦ごとにゴールを決めている(1月10日のFA杯トッテナム戦、1月16日のリーグ第22節アストンビラ戦)。
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