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ユベントス、不吉なデータを抱えて臨むバイエルン戦。手負いのイタリア王者が挑む“確率16%”のミッション

text by 今関飛駒 photo by Getty Images

ユベントスは過去のデータを覆すのか?

1stレグでゴールを決めたパウロ・ディバラは負傷欠場となる
1stレグでゴールを決めたパウロ・ディバラは負傷欠場となる【写真:Getty Images】

 今季のここまでの戦いを振り返ると、バイエルンの平均ボール保持率は67%であるのに対してユベントスは45%、平均パス本数はバイエルンが740本でユベントスが421本であることを考えると、バイエルンがボールを支配してユベントスが耐えながらチャンスを伺うという展開になりそうだ。

 また、ユベントスは7試合で8ゴールと得点数が心許ない。バイエルンはここまで21ゴールを挙げており、打ったシュートの14%は得点が決まっている(ユベントスは半分の7%)ことから、ユベントスはバイエルンの猛攻を凌ぎながら少ないチャンスをモノにしていくことになるだろう。

 加えて、ユベントスはここにきて負傷者が続出している。ジョルジョ・キエッリーニ、クラウディオ・マルキージオ、パウロ・ディバラは遠征メンバー外となることがクラブから正式に発表されており、マリオ・マンジュキッチの出場も不透明となっている。

 各ポジションで核となる選手を欠いてしまうことは、大きな痛手となるはず。マッシミリアーノ・アッレグリ監督とすれば、先発メンバーだけでなく、スコアに応じた交代策でも選択肢が狭まってしまうことになる。

 ユベンティーニ(ユベントスファンの愛称)にとっては心穏やかではない要素ばかりが並ぶが、決して不可能なミッションではない。

 現に、ユベントスは今季、クラブ史上最悪のシーズンスタートを切りながらも見事に復調し、セリエA首位に立って5連覇へと邁進している。昨季も、周囲の予想を超えて決勝まで勝ち進んだことは記憶に新しい。

 過去のデータやジンクスは、やがては必ず絶えるものである。頼もしいデータを揃えるバイエルンが過去の例に倣って突破を決めるのか、それともユベントスが全てを覆すのか。

 フットボールの世界に、“絶対”という言葉は存在しない。絶対に。

(文:今関飛駒)

【了】

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