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日本代表 9年前

U-23代表の“救世主”、V・ウェルメスケルケン際。蘭で揉まれた若武者が抱く果てなき野望【独占取材】

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

1部でもやれる自信。そして代表への思い

――仮にいま1部のクラブに移籍したとして、対等にやれる自信はありますか?

「あります。昨季トゥエンテ戦に出場して1部のレベルがどんなものかだいたいわかりました。エールディビジ(1部)とジュピラーリーグ(2部)の違いを挙げるとすれば『プレーや判断のスピード』だと思いますが、スピードに関してはチームに入ってしまえば順応していくものなので、それにどれくらいの時間を要するかが重要になります。

 1部と2部のチームが対戦すればそれなりに差が出ると思いますが、選手個々のレベルはそれほど変わらないと思います。2部にもアンダー世代の代表に入っているような、ビッグタレントはそこらじゅうにいます。1部で通用するかどうかは個人の努力しだいです」

――U-23日本代表のアジア選手権は見ていましたか?

「時間が合えば見るようにしていました。大会前は五輪へ行けるのか少し不安でしたが、僕は彼らの何人かとユース時代に対戦した経験があるので『あれだけ強いのになぜ結果が出ないのだろう』と思っていたんです。本当にレベルの高い選手たちが集まっている場所なので。

 今回は結果が出たので、やっぱり強かったんだと再確認できました。この世代のレベルが低いのではなく、これまで結果が出なかったのは運やちょっとしたギャップが影響していたのではないでしょうか」

――同年代の選手たちが活躍する姿を見て刺激はありましたか?

「五輪に出たいという気持ちは一層強くなりました。ああいう経験はそうそうできるものではないですし、国を背負って大会に出て、同じように国家の誇りを持って向かってくる選手たちと戦う、そんな環境でサッカーをしてみたいです。選手としての本望です」

――そしてついにU-23日本代表招集が決まりました。いまの気持ちはどうですか?

「いままで続けてきたことが目に見える成果になったことは素直に嬉しいです。ただ、同じポジションの2人が怪我で離脱したことによるラッキーな部分も大きいと思います。僕はずば抜けてすごい選手ではないので、地道にできることをしっかりやって自分の実力を証明できればいい。チャンスをものにしたい気持ちはもちろん強いので、死に物狂いでやるつもりでいます」

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