シーズン後半で根気強く取り組んでいる3バックの布陣
スタジアムは深い悲しみに包まれた。2016年3月13日のブンデスリーガ第26節、ボルシア・ドルトムントはホームにマインツを迎える。
香川真司は、2月28日の第23節ホッフェンハイム戦以来の先発となった。攻撃時には、香川がロイスと2シャドーを組む。DFラインは3バックになり、左SBのシュメルツァーが高い位置を取る。
両SHに、シュメルツァーとムヒタリアン、シャヒンが6番でカストロが8番、トップにオーバメヤン、といったところだ。つまり後半戦に入ってから、ドルトムントが取り組んでいる布陣である。
トゥヘルが根気強く取り組むこの布陣は、まだまだ発展途上の段階と言えそうだ。21分の場内発表によれば、ドルトムントのボール支配率は65%を記録した。しかしBVBは後ろで回すが、なかなかシュートまで持っていくことができない。
それでもこのマインツ戦では、ポジティブな変化の兆しが見え始めた。
23分、フンメルスがロイスに縦パスを入れて、左サイドを上がるシュメルツァーにすぐさまパスを出す。そのままシュメルツァーはシュートまで持ち込んだ。ロイスは2シャドーの位置である。
また、直後にはムヒタリアンがエリア内の右にポジションを取る香川にパスを入れて、再びボールを貰おうとする動きも見られた。この場面では香川に付いたベルに阻まれることになったが、2シャドーを活かした、活かそうとする形が少しずつ見えるようになってきた。
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