世界中から引く手あまたの監督は日本で唯一ではないか
選手たちのフィジカル面への負担に加えて、佐々木監督となでしこの選手たちは、開催国としてのしかかる期待と、その裏返しの非難にも向き合わなければならなかった。
「このチームにはいつも大きなプレッシャーがかかっている。最初は勝つべきだというプレッシャー、リオへのチケットを獲得することへのプレッシャーだった。それから予選突破ができなくなると、また別の種類のプレッシャーに変わってしまった」
「そのプレッシャーと付き合うにはかなりのメンタルの強さが必要だが、選手たちにはとても良いスピリットがある。この最終戦の前に言ったのは、今でもみんな応援してくれているので、そういうスピリットを見せようということだった」
チームは今大会最高のパフォーマンスを披露するという形でそれを実行し、1-0で勝利を収めた。状況を考えれば、最大限に楽観的だと言うべき様子で監督は喜ぶ様子を見せていた。
「こういう大会に出場するチャンスはこれが最後というわけではない。この1年で横山(久美)や中島(依美)は本当に大きく成長して自信を強めることができたし、今後もそういう選手たちが出てくるだろう。未来には大きな期待をしている」
世界中から引く手あまたの日本人指導者はごくわずかであり、おそらくは佐々木監督が唯一かもしれない。今後どうするのかも楽しみではある。だがいずれにしても、ビーニ監督も正しく指摘したように、リスペクトを受ける資格が彼にあることは間違いない。
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