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Jリーグ 9年前

「怪物」森本の“約束の地”・等々力。11年ぶりJ1ゴールで覚醒するストライカーの本能

text by 藤江直人 photo by Getty Images

優秀なパサーに加えて、点取り屋の手本がいる川崎F

ヴェルディではJリーグ最年少得点を記録
ヴェルディではJリーグ最年少得点を記録【写真:Getty Images】

 出場機会を得られなかった海外での挑戦に一旦終止符を打ち、ジェフ千葉へ移籍したのが2013年の夏。J2の舞台で戦いながら、捲土重来を期していた森本にターニングポイントが訪れる。

 昨年末に届いたフロンターレからのオファー。近いようで遠かった運命の糸が、初めて交わったと感じたのか。完全移籍での加入を「すぐに決断できた」と振り返る森本は、笑顔でこんな言葉を紡いでいる。

「ボールをもってパスを出せる選手がすごく多いので、そういう選手たちから上手くパスを引き出して、シュートまでもっていく形を作りたい。自分はこういうプレーヤーなんだよと、早く示したいですね」

 イタリア時代の後半から、けがの連鎖に泣かされてきた。ジェフでの3年目はわずか5ゴール。もがき苦しむ姿をしかし、あるフロンターレ関係者は「力を持て余していたのでは」と見ていた。

「日本のサッカーとのギャップもあったでしょうし、周りも彼を上手く使えなかったということもあるかもしれない。ただ、ゴールを奪うという部分では、相手の最終ラインの裏へ抜け出す動きを含めて能力は非常に高い。彼にとっては地元だし、きっかけをつかんでくれれば可能性は大いにある」

 日本代表として68キャップをもつ35歳のベテラン・中村憲剛、今シーズンから「10」番を託されたU‐23日本代表の大島僚太を擁する中盤から、決定的なパスが供給され続けるだけではない。

 3年連続で得点王を獲得している大久保嘉人。異能の得点感覚で歴代の日本代表監督を魅了してきた小林悠。先輩たちとのポジション争いを思い浮かべるだけで、武者震いを覚えた。

「2人ともすごくレベルが高いし、能力もある。2人の背中を見ながらいろいろなものを吸収して、自分の力にしていきたい。特に大久保さんは3年連続得点王になるまでどのような練習をしているのか、どのような生活をしているのかを毎日見ることができる。最高のお手本として見ていきたい」

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