明らかとなった戦力差
チェルシーは、この試合で気を吐いたジエゴ・コスタが攻撃のキーマンだった。前線でのポストプレーからタメを作ってチャンスメークし、相手DFに囲まれながらも強引にシュートに運んで同点ゴールを叩き込むなど、PSG守備陣にとって最も手を焼いた選手であった。
だが、60分にコスタは負傷により交代するアクシデントに見舞われてしまう。ここで投入されたのはほとんどCLでのプレー経験がない20歳のバートランド・トラオレだった。
ベンチにはより経験のあるロイク・レミーも控えていたが、退団寸前だったこともあり戦力外同然。冬にはパトを獲得したもののリハビリ続きで全く使い物にならずこの試合もベンチ外だった。結局、ゴールを期待できるストライカーはコスタのみだったが、唯一の頼みの綱も失ってしまった。
また、守備陣もキャプテンのジョン・テリーと若き才能クルト・ズマが負傷で欠場。そのため、DFラインは左サイドバックにババ・ラーマンか本職ではないケネディかという選択肢しかなかった。パト同様、冬にアメリカ代表DFマット・ミアズカを獲得しているが、こちらも一向に起用される気配はない。
一方のPSGは、勝敗を決する2ゴール目を奪った後にパストーレとカバーニが途中出場している。中盤ではヴェラッティが負傷欠場したが、その不在を感じさせなかった。PSGとチェルシーの戦力差は、明らかだったのである。
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