打ち砕かれたチェルシーの淡い期待
「今年のチェルシーは、どこか“あの時”と似ている…」
今季の戦いを見て、そう感じたチェルシーサポーターは少なくなかったのではないだろうか。“あの時”とは他ならぬ2012年のことである。
当時、アンドレ・ビラス=ボアス監督率いるチェルシーはリーグ戦で低迷し、CLベスト16の1stレグでナポリに1-3の完敗。結局、ビラス=ボアス監督は解任となり、そのまま敗退するかと思われた。
しかし、その後ロベルト・ディ・マッテオ監督が暫定で指揮を執ると、ホームでの2ndレグで4-1の大逆転勝利を収め、その勢いのままに敵地ミュンヘンでの決勝でバイエルンをPK戦の末に破ってビッグイヤーを掲げた。
今季の低迷は当時の比ではないが、フース・ヒディンク監督が就任してからはリーグ無敗を維持するなど、復活の兆しを見せていた。
そんな状況にチェルシーサポーターは当時の再現を夢見ていたが、そんな淡い期待は脆くも崩れ去った。
偶然か必然か、チェルシーは3シーズン連続で対戦することとなったPSGに、あろうことかホームとアウェイで連敗し、またもベスト16で姿を消すことになった。
チェルシーはPSGの“撹乱作戦”の術中にハマり、敗退の決定打となったアウェイゴールを与えてしまったのだ。
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