2日半の限られた時間で戦術を伝える
7日から千葉県内で行われてきた日本代表候補国内組合宿も9日が最終日。前日の汗ばむような天候とは一転して真冬の寒さに見舞われる中、右足首負傷で一足早くチームを離脱した森重真人(FC東京)を除く24人が最後の午前練習を消化した。
トレーニングのラストには、11対11のゲーム形式も盛り込まれ、別メニューが続いた金崎夢生(鹿島)以外が10分と8分の2本をプレー。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「Jリーグでは見られないスピードだった。彼らは1タッチ、2タッチでプレーができるし、前にもスプリントできる。そうすることによって沢山点が取れる」とご満悦だったように、確かに選手たちのインテンシティーの高さが目についた。
1本目には浅野拓磨(広島)と宇佐美貴史(G大阪)、2本目には永井謙佑(名古屋)がゴールし、小林悠(川崎)もアシストを見せるなど、FW陣が気を吐いたのも前向きな収穫と言える。
日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長は「今回は初日と2日目午前に守備、2日目午後と最終日に攻撃に比重を置いたトレーニングを行いました。その流れ踏まえて、初日夜には守備、2日目夜には攻撃のミーティングを1時間半ほどやりました。
守備のミーティングでJリーグの映像を主に使いながら、ハリルホジッチ監督が目指す『ゾーンプレス』ができている時、できていない時を説明し、理解を深めました。攻撃のミーティングでは欧州チャンピオンズリーグやJリーグの得点場面を使いながら『こういういいプレーがあると得点が生まれる』という意識の共有をしました。
目指しているのは、素早い判断と少ないボールタッチでスピーディーにボールを回すこと。その意識づけとテクニックの両立を目指した練習をしました」と指揮官の狙いを代弁したが、2日半の限られた時間を使いながら、攻守両面の戦術を詰め込んだ印象だ。