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日本代表 9年前

「なでしこの分も…」。世代交代の急先鋒へ、遠藤航が語る代表定着への思い【代表現場レポート】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「監督が厳しいことを言うのは期待の裏返し」

ヴァイッド・ハリルホジッチ
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

「守備に関しては、初日夜のミーティングで『ムダなファウル』が多いと言われた。特にCBやDFラインからポジションを外してプレスに行った時のファウル、ハイボールが来た時のヘディングの競り合いで手をかけるファウルが多いという話をされました。あとはゾーンプレスの話。走力とかコミュニケーションもそうだけど、コンパクトにすることが一番大事だと思うんで、それを意識したいです。

 攻撃の方は『日本はワンタッチパスの比率が少ない』という話があった。『ゆっくりゆっくりパスを動かしている』と監督も言っていたんで、シンプルにしないと。自分のよさとして、奪った後に速くボールをつけるとか、ボールを受けてワンタッチで出すことがあるんで、そこはもっとやっていかないといけないと思います」と彼は彼なりに今回の合宿の狙いを理解したようだ。

 それを実際のピッチ上で即座に実践できるようになれば、ボランチのレギュラー獲得に一歩近づく。昨年11月の2018年ロシアワールドカップアジア2次予選・カンボジア戦(プノンペン)で先発出場した際はパス出しの部分で物足りなさを露呈し、前半だけでベンチに下げられる屈辱を味わったが、1月のAFC・U-23選手権(カタール)制覇、浦和移籍という2つの重要なターニングポイントを経て、逞しさを増したのは間違いない。

 ボランチを争う海外組の長谷部誠(フランクフルト)と山口蛍(ハノーファー)がそれぞれ苦境に立たされていることもあって、遠藤航にかかる期待はここへきてより大きくなっている。本人もそのことを自覚しているはずだ。

「監督が厳しいことを言うのは期待の裏返しだと捉えていますし、厳しく求められるからこそ、またやらなきゃいけないって気持ちにさせてくれる。自分自身、監督が言っていることを真剣に受け止めて、何をどうするかをしっかり考えることが大事だと思います」と彼は神妙な面持ちでコメントしていた。

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