過去2回、シーズン途中に監督交代でカップ戦タイトル獲得
勝利が絶対条件のチェルシーは、いかにジエゴ・コスタにいい形でチャンスを提供するかがポイントとなる。逆にPSGは中盤の攻防でこのストライカーをいかに孤立させるか。そのためにも驚異的な運動量を持つマテュイディがキーマンといえるだろう。
そして強力な両翼は必ずヴェラッティのゲームメイクからチェルシーの左サイドをカウンターで突いてくるはず。90分を無失点で終えるためにもババの奮起、そしてケーヒルのカバーリングも期待したい。
ただ、チェルシーの不安はDFラインだけではない。ヒディンク監督の就任以降リーグ戦12試合で5勝7分け。引き分けが多いが負けはない状態となっており、一応は上向いているとされている。
ところが、本来勝ち点を拾っていくはずのホームで1勝5分け。アウェイが4勝2分けと成績で上回っている。しかもホームでの1勝は現在19位に沈むニューカッスル戦でのもの。
現在のチェルシーにアウェイゴールのリスクをかき消すほどのホームアドバンテージはないが、来季のCLに出場するためには、もはやビッグイヤー以外に方法は残されていない。03/04シーズンから続くCL連続出場を途絶えさせないためにもここで負けるわけにはいかない。
その一方で、このような状況に既視感を覚える人も少なくはないだろう。ビラス=ボアス監督の下でスタートした11/12シーズン、チェルシーはリーグ戦で低迷し監督交代を断行した。
その後、ディマッテオが暫定監督として就任し、プレミアではCL圏外の6位で終えたものの、当のCLではバイエルン・ミュンヘンを破り初の欧州王者に。リーグ4位のトッテナムから翌シーズンのCL出場権も奪い取った。
さらに遡ること08/09シーズン、スコラーリ監督の下でスタートしたが低迷し、監督交代に踏み切り現監督のヒディンクを招へい。その結果プレミアリーグでの成績も上向き、最終的にはFAカップを制している。
ある意味では、チェルシーにとってプレミアリーグでの低迷はカップ戦タイトルへの“フラグ”とも取れる。それがCLになるのかFAカップになるのか、それとも…。いずれにしても、今ロンドンのブルーズは過去の事例に思いを馳せているはずだ。
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