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本田圭佑 9年前

本田、指揮官からの信頼は絶対的ではなかったのか。苦境の攻撃陣に漂う不安

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

不安漂うミラン攻撃陣

 だがそれでも、やはりチャンスはものにして欲しかった。特に右足の精度は今後追求して欲しいところだ。逆足ウイングとして使われる本田だが、今回のように右足でしかシュートアングルを確保できない場面も当然出てくる。事実、昨年12月のフロジノーネ戦でもワンツーで縦に飛び出し右足でシュートを放ったが、わずかに枠の外へ逸れた。

 守備などの戦術的なタスクをこなしながらも、チャンスにも絡む頻度は試合を追うごとに増えている。今回のような試合でゴールを決めれていれば、それこそ監督からの評価をいっそう磐石なものにできていたはずだ。それだけに悔やまれるが、チャンスに絡めたのは向上の証と考えるならば、次節以降のゴールも期待できるというものだ。

 ただ、チーム自体には今後への不安が漂う。とりわけエムバイエ・ニアンの故障離脱の影響は大きかったことが、今回の試合で証明されてしまった。ボールが前で収まらず、相手のDFラインの押し下げられない。バッカは前線でキープできず、マリオ・バロテッリやジェレミー・メネズもコンディション不良を露呈してしまった。

「バロテッリという選択はまずかった? じゃあ今日のメネズは良かったとでも言うのか?」

 ミハイロビッチ監督は地元記者に噛み付いていたが、今後どうやりくりをするべきか思案に暮れていることは想像に難くない。苦境の中にある攻撃陣にとっても助けとなれるか、攻撃的プレイヤーとしての本田の奮起にも期待したい。

【了】

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