バルサに欠かせないスアレスの“柔”と“剛”の強さ
とはいえ、スアレスのアシスト力が際立っているのは今季に限った話ではない。昨季は出場停止による序盤の欠場をありながら16ゴール14アシストを記録。リバプール時代の最終年には31ゴールで12アシストを記録している。
ただ、スアレスの真骨頂は今回のエイバル戦の84分に凝縮されていた。
GKクラウディオ・ブラーボのロングフィードをセルジ・ロベルトがつなぐと、ボールを受けたスアレスはペナルティエリア内で2人のDFに寄せられながらも体の強さと巧みなボールコントロールで耐えてネットへ突き刺した。
この時、メッシやセルジ・ロベルトもゴール前の好ポジションに入っていたが、スアレスは自らゴールを選んだ。味方の得点を演出する柔軟さと、チャンスと見れば自らゴールをこじ開ける強さをこの試合で見せつけた。
ゴールとアシスト、エゴと献身性。スアレスが併せ持つ“柔”と“剛”の強さは、ルイス・エンリケのバルサがバルサであるために何よりも欠かせない要素といえるだろう。
また、何より自らのアシストで味方が点を決めた際に全力で喜び祝福する姿は、“悪童”とは程遠く、実は“いいやつ”なのだと感じる人も少なくはないだろう。
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