次節、直接対決でドルトムント勝利なら勝ち点は2差に
51分にも同様に、カリウスのロングフィードから繋がれて、マリの右からの折り返しを、クレメンスにほとんどフリーでシュートを打たれている。
もちろん14位のダルムシュタットに比べれば、5位のマインツは組織的な守備とプレッシングにおいて、より質の高いサッカーをする。5-4-1から3-4-3といった守から攻への切り替えもスムーズだ。
しかしペップの嗜好するポゼッションの土台には、しっかりとしたプレッシングが必要不可欠であることを考えれば、バイエルンが招いたピンチは、“気の緩み”と受け止められても仕方のないところはあるだろう。
64分、ビダルからのパスを受けたロッベンが、豪快にミドルシュートを突き刺してバイエルンは同点に追い付く。いよいよ逆転劇が始まるかと思われたが、自陣に5-4-1で立て籠もるマインツから、追加点を奪うことができない。
そして86分にはカウンターから、コルドバにミドルシュートを決められてしまう。このカウンターも、およそ20秒もの時間を掛けられていながら、その間にボールを奪うことができなかった。
右サイドでブロシンスキがボールを持った際にはコスタとベルナトで挟んだが、対応は緩い。2人の間にすんなりパスを通されてしまう。カウンター・プレッシングはまるで機能しない。失点の直後にノイアーは、怒りを露わにした。
バイエルンがマインツに不覚を取り、BVBがダルムシュタットに勝利したことで、両者の勝ち点差は5となった。5日の土曜日の直接対決でバイエルンがドルトムントに敗れると、その差はわずか2となる。3日付の独大衆紙『ビルト』は「突如として再び真の王座をめぐる争いが始まった」と記した。
「王座をめぐる」土曜日は、すぐそこまで迫っている。
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