指揮官もアレッサンドリアの熱い応援と健闘を称賛
なお最後に、準決勝を勇敢に戦ったアレッサンドリアのことについても触れておきたい。サン・シーロにもバス60台、15000人のサポーターが訪れ、アウェー割り当て席を埋め尽くした。そして試合前には「TI AMO(愛してるよ)」という見事なコレオグラフィーを展開。ピッチの選手たちも大量点は取られながら、最後までゴールを奪おうと攻めていた。
試合後の記者会見でミハイロビッチ監督は「まずアレッサンドリアの健闘と、彼らを支えたサポターを讃えたい。実際今日は危ない場面もあった。リーグ戦でも結果が出るように頑張ってほしい」と切り出し、ミランの広報担当もアレッサンドリアの地元記者を中心に質問を募っていた。
第3部のメッシーナvsカターニアの試合でも2万人近い集客があったが、下部クラブの躍進に熱い応援が寄せられるのもイタリアの懐の深さだ。サン・シーロでも空席が目立つ最近の状況に危機感を覚える関係者は少なくないが、アレッサンドリアとそのサポーターが起こしたムーブメントはイタリアサッカー界全体にとっても励みとなっただろう。
「今日の勝者はウチのサポーターの皆さんだった。彼らのためにゴールを奪えなかったのが残念だったが、本当に素晴らしい経験をさせてもらった」。アンジェロ・グレグッチ監督は感慨深げに語っていた。
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