主力を温存できないミランの台所事情とは？

　27日のトリノ戦後、「3日後に試合があるのでしっかり休養をとりたい」と本田は地元メディアに語っていた。最近の数試合で本田のスプリントの距離は軒並み1kmに達するか、それを超えてすらいる。それだけコンディションをきちんと整えている彼のこと、この試合も全力で臨むだろう。

　ただ、問題は今後だ。ただでさえサイドハーフのバックアップは左右ともに頭数がいない状況で、それにはさらに拍車がかかっている。

　まずはボアテンク。アウトサイド並びにセカンドトップもできる選手だが、やはり長期にわたって戦力外措置を受けたのが響いている。スタミナが90分持たないばかりか、フィオレンティーナ戦でゴールを挙げて以降はプレー内容も芳しくない。

　それに加えて、地味に効いてくるのがエムバイエ・ニアンの欠場である。普段はセカンドトップとして定位置を得ている彼だが、サイドで突破力を保証できる数少ない選手でもあったのだ。トリノ戦後の土曜日の夜、友人とともに雨のミラノ郊外を走っていたところ、ハイドロプレーニングで水溜りにハンドルを取られ、そのまま壁に激突。左足首の靭帯を損傷し、復帰には2ヶ月かかると見られている。

　こうなると、左のボナベントゥーラとともに本田は替えが効かない存在となる。もちろんそれは確かに良いことには違いないのだが、その分コンディションをどう維持するかが重要なポイントとなるだろう。

　とにかく、ミハイロビッチ監督が語ったようにまずはコッパ・イタリア決勝進出の切符である。チーム共々終盤戦に落ち着いた状態で挑めるよう、まずはこれをきっちり確保だ。本田には守備もさることながら、早い時間に得点を演出しチームを助けることもこの試合では要求される。

【了】