サイドバック起用も前向きにとらえる理由
そのブルサスポルでは今季当初、エルトゥールル・サーラム監督の下、ボランチとして熾烈なポジション争いに身を投じることになった。欧州各国の代表選手がしのぎを削る中、定位置争いは熾烈を極めたが、彼自身の調子は上向いていた。
だが、新天地でもまた監督交代が起きる。11月末にハムザ・ハムザオール現監督が就任。新体制になってから、細貝は右サイドバックで使われ始める。2016年に入ってからはリーグ5試合中3試合はこのポジションで出場。ようやく手ごたえをつかみつつあるという。
「前監督の時はボランチで出たりでなかったりだったけど、冬の移籍で右サイドバックが抜けて、トルコ人のエルデム・オズゲンチ1人だけになった。そこで今の監督が僕を抜擢したんです。
自分もレバークーゼンでは左サイドバックがメインでしたし、アウグスブルクでもサイドをやったことがある。その情報を収集して『細貝ならできるだろう』と判断したんだと思います。
レバークーゼンからヘルタに行った頃は『どうしてもボランチで勝負したい』という気持ちが強かったけど、今は『ボランチを経験したからサイドバックができる』と前向きに捉えています。それに外国人選手には気の利いたポジショニングやカバーリングができない。長谷部(誠=フランクフルト)さんもそうだけど、日本人だからやれると思うんです。
もちろんウッチー(内田篤人=シャルケ)や佑都みたいなダイナミックな攻撃参加や精度の高いクロスは蹴れないし、攻撃面は自分自身の課題ですけど、守備面はある程度、つかめてきた。
21日のフェネルバフチェ戦なんはシュート数28対5と圧倒的に攻められたけど、何とか踏みとどまりましたし(笑)。監督からも評価してもらっているので、このポジションで結果を出せるように頑張っていきたいですね」と細貝はとにかく明るくポジティブに現状を捉えていた。