浦和、1年越しで果たすサポーターとの約束
そして、槙野も前述の西川と同様に、昨年のACLで課題を痛感させられたと語っている。
「昨年のACLの対戦相手の監督と選手に『浦和のサッカーは上手い。ただ、弱い。球際が弱かったり、ひるんでいる』というのを試合後のコメントで言われたのが僕らにとってとても痛い思いをしました」
彼らは、決して昨年の失望を忘れてはいない。槙野は、「口だけで言うのは簡単だけど、しっかりと(ピッチ上で)表現していかないと」と話している。昨年の失敗は決して無駄ではなかったことを彼らは証明しようとしている。
次なる戦いは、韓国の浦項スティーラースとのアウェイ戦だ。昨年、浦和はアウェイで水原三星に敗れており、今季はFC東京とガンバ大阪も敵地で苦戦を強いられている。槙野は「厳しい戦いになることは予想している」と気を引き締めている。
成長した浦和レッズは、アジアの舞台で9年ぶりに頂点に立つべく歩みだしている。シドニー戦で、ゴール裏のサポーターの一部は、「浦和の漢達 共に闘いタイトル獲ろう」と書かれた横断幕を掲げた。
そして、“赤き血のイレブン”は阿部が涙ながらにサポーターと交わした約束を、1年越しで果たそうとしている。彼らの思いは、ひとつなのだ。
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