昨年の失敗から学んだ“球際の強さ”
だが、少なくともシドニー戦の浦和はそうではなかった。相手は韓国のチームではないが、浦和はしっかりと球際で強さを発揮し、ボールを奪って攻撃につなげる場面が多かった。西川が、「サイドのプレスをしっかりとかけて高い位置でボールを取れたことが昨年と違う」と話したことにもつながるところではないだろうか。
当時、チョン・テセはこうも言っていた。「日本のクラブが戦い方を変える必要はないし、クオリティーに関しても問題ない。韓国勢のような球際を押し切る強さを身につければ、勝つこともできる」と。
そして、アレックスも「今日の浦和はフィジカルで負けていなかった。彼らは強いチームである」と浦和のフィジカル面の充実を認めている。また、「彼らはフィジカル面で勝つというプランでゲームに挑んだわけではなかった。我々はそこに付け込もうとしたけれど、上手くはいかなかった」と続けている。
彼らの発言には共通点がある。浦和のスタイルは決してフィジカルを全面に押し出したものではないが、アジアの戦いを制するためには必要不可欠な要素なのである。もちろん、この1試合だけで全てを判断することはできないが、昨年の失敗から学び、しっかりと結果につなげているのだ。
「去年は本当に悔しい思いをして、決して無駄にはしたくなかったですね。無駄にするともったいないので、今年に生かしていかないとという風にみんな強い気持ちで戦ってましたし、このくらいできるのであれば毎試合していきたいです」と西川は自信を見せた。
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