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香川真司 9年前

香川が感じた「迷い」。逆転勝利も苦しんだ前半。BVBが閉じ込められた“システムの檻”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

新システムは進化の前触れか、机上の空論か…

 後半に入ると、トゥヘルはシステムを4-1-2-3に変更した。チームが前半戦を通して慣れ親しんだ布陣だ。くびきから解き放たれたドルトムントは、躍動を取り戻していく。後半から途中出場のギュンドアンは「後半に僕らは本当にゲームを支配した」と振り返る。

 58分、カウンターに出るオーバメヤンを後ろから引っ掛けたルディがレッドカード=一発退場となったことで、ホッフェンハイムは5-4-0でベタ引きした。エリア内に9人=恥も外聞もかなぐり捨ててきた。BVBは苦しみに苦しんだ。それでも最後の10分間で、牙城を打ち砕いた。

 80分。ムヒタリヤン。1-1。
 85分。ラモス。2-1。
 90+2分。オーバメヤン。3-1。

 終わって見れば、ドルトムントがホッフェンハイムを突き放して3-1で勝利した。

 精彩を欠いて前半で交代となった香川は「乗り越えどこ」と捉えている。[3バック+ツー・シャドウ]の中で、「どうやって打開していくか」。固められたバイタルの中、相手と時間帯に応じて、スペースを手なずけ、時間を作り、チームに「違い」をもたらす。

 慣れないシステムは、進化の前触れなのか、それとも机上の空論なのか。

 もどかしく、歯がゆい、ホッフェンハイム戦だった。

【了】

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