「ちょっとここに来て停滞感が出ている」
そういった「迷い」は香川だけでなく、ロイスやムヒタリヤンにも見受けられた。ポジションはどこに取るべきなのか。ボールを受けた後に、どのように崩したらいいのか。もどかしさが、前半のドルトムントを覆った。
そしてホッフェンハイムに先制を許す。25分、ルディが中央をドリブルで上がって、左のフォランドへ。フォランドのミドルシュートを、ビュルキが弾いたところを、さらにルディが詰めた。0-1。BVBのプレスは機能せず、ルディにいとも簡単に突破を許してしまう。
前半のドルトムントは、人ではなくシステムが先に来てしまっているようだった。相手を崩してゴールを奪うための手段であるはずのシステムが、目的となってしまっている。結果であるはずの機能した/しないに囚われて、BVBは行き場を失った。
香川は「チームとしてもちょっと考えているところはあると思う」と言う。「1人1人の自信」や「勢い」は、「ちょっとここに来て停滞感が出ている」
[3バック+ツー・シャドウ]とでも呼ぶべき形を、どのように使いこなすべきなのか。ピッチ上に陣取る相手を見据えながら、決してシステムそれ自体に振り回されることなく――。
【次ページ】新システムは進化の前触れか、机上の空論か…