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香川真司 9年前

香川が感じた「迷い」。逆転勝利も苦しんだ前半。BVBが閉じ込められた“システムの檻”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ちょっとここに来て停滞感が出ている」

香川真司
香川真司は「チームとしてもちょっと考えているところはあると思う」と言う【写真:Getty Images】

 そういった「迷い」は香川だけでなく、ロイスやムヒタリヤンにも見受けられた。ポジションはどこに取るべきなのか。ボールを受けた後に、どのように崩したらいいのか。もどかしさが、前半のドルトムントを覆った。

 そしてホッフェンハイムに先制を許す。25分、ルディが中央をドリブルで上がって、左のフォランドへ。フォランドのミドルシュートを、ビュルキが弾いたところを、さらにルディが詰めた。0-1。BVBのプレスは機能せず、ルディにいとも簡単に突破を許してしまう。

 前半のドルトムントは、人ではなくシステムが先に来てしまっているようだった。相手を崩してゴールを奪うための手段であるはずのシステムが、目的となってしまっている。結果であるはずの機能した/しないに囚われて、BVBは行き場を失った。

 香川は「チームとしてもちょっと考えているところはあると思う」と言う。「1人1人の自信」や「勢い」は、「ちょっとここに来て停滞感が出ている」

 [3バック+ツー・シャドウ]とでも呼ぶべき形を、どのように使いこなすべきなのか。ピッチ上に陣取る相手を見据えながら、決してシステムそれ自体に振り回されることなく――。

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