地元メディア、そして指揮官も称賛
パスの組み立てにも、ひと頃に比べればよく関与できるようになった。トリノのプレスも厳しいものだったが、少し前では囲まれてロストしていたような場面でも冷静にボールをつなげる。ただチームとして相手に押された後半には、相手のゾーンの間にポジションを取ってもパスを付けてもらえないシーンも度々あった。連携が良くなっていけば、さらに良いプレーができるはずだ。
終盤に押し込まれれば、最終ラインまで戻ってトリノの右クロスをヘッドで弾き、ドリブルでボールを運び相手の攻撃の流れを切った。こんな調子だったので、地元メディアの本田に対する評価も自ずと良い。
「チーム全体のスピリットを褒められていましたが、それを体現していたのはやはり本田だったかと思います。彼のプレーはいかがでしたか?」ミハイロビッチ監督の会見中、そんな質問が地元記者の口から飛ぶのだ。断っておくが、我われ日本人プレスが言わせたわけではない。
「個人については語りたくない。まあ本田は良かった。それはクツカや(アンドレア・)ベルトラッチ、(ジャコモ・)ボナベントゥーラやFW陣と同様にだ」と指揮官は答える。ただそれを監督に評価されていないと見るべきでも、また確執が存在すると見るべきでもない。チームの一員として確かな貢献を果たすことが、今のミランにとっては重要な意味を持つのだ。
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