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本田圭佑 9年前

本田が体現したミランのスピリット。地元メディア、そして指揮官も称賛。チームに捧げた確かな貢献

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

この試合も攻守で光った本田

本田
本田圭佑は相手のブルーノ・ペレスにほとんど仕事はさせなかった【写真:Getty Images】

 もちろん右サイドでは、本田圭佑のハードワークがこの試合でも光っていた。DFラインへのプレスに、イニャツィオ・アバーテが中へ絞った場合にはそのカバー。展開をいち早く読んで、相手のパスをカットしカウンターを未然に防ぐ働きも効果的だ。

 前半34分、高い位置で相手のビルドアップを寸断するとともに、前線でフリーとなっていたカルロス・バッカにパスを付けたプレーはその極み。あまりにも余裕のある状態でボールをもらったのが仇となったのか、バッカがシュートのタイミングを逃したのが残念だった。

 ブルーノ・ペレスにもほとんど仕事はさせなかった。アバーテとユライ・クツカで連動し、左のアウトサイドの攻撃は封殺。右利きの彼は中に切り込まざるを得なくなるが、カットインもプレスで切る。こうして、トリノの攻撃のキーマンの無力化に成功したのだ。

 ただ、本田が良かったのは守備だけではなかった。前半26分にクロスバーを直撃した直接FKは言わずもがな、アウトサイドの仕掛けでも前半は特に優位に立っていた。立ち上がりに切り返しでマークを外し、2度左足で鋭いクロスを入れる。

 ブルーノ・ペレスのマッチアップにも勇敢にチャレンジしていた。前半10分に彼のマークを外し、縦パスを一本入れる。これで手応えを得たのか、試合を通して積極的にドリブルで仕掛けるシーンが目立った。

 もっとも相手にはスピードがあるため、突破を仕切れずに回り込まれチャンスメイクを阻止されるシーンも度々あった。ただ彼は本来もっと前でプレッシャーを掛け、ボールを奪って縦に押し込んでくる選手だ。本来ウイングプレイヤーでない本田が、縦の勝負で守勢に回らせていただけでも上出来と見るべきだ。

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