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香川真司 9年前

輝きを放ちつつ…まだまだ続くトゥヘルの実験。香川は再びローテーションの可能性も?

text by 本田千尋 photo by Getty Images

激しさの増す中盤の争い。香川の起用法は?

ボルシア・ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督
ドルトムントのトゥヘル監督【写真:Getty Images】

 言うなればトゥヘルには、いまいち何を考えているのか分からない上司、といったところがあるのかもしれない。

 おそらく本人の中には青写真があるのだろう。しかし過密日程の中で、選手のコンディションなど刻一刻と状況は変わっていく。全体像を指し示す時間もない。よって理由があるにもかかわらず、件のベンチ外が、突発的な措置のような印象をメディアなど周囲に与えてしまう。

 現場の選手たちにとってはたまったものではないが、トゥヘルは何より結果を残している。実験はしばらく続きそうだ。

 そんな中、ドルトムントは2016年2月28日、ブンデスリーガの第23節でホッフェンハイムをホームに迎え撃つ。ホッフェンハイムは17位と降格圏に沈んでいる。しかし第21節のブレーメン戦から、辞任したステーフェンスの後を継いだ28歳の新監督ユリアン・ナーゲルスマンが指揮を取ると、2試合で1勝1分と、まずまずの成績を残している。

 また『キッカー』誌によれば、トゥヘルが2008年の夏までアウクスブルクのセカンドチームを率いていた頃、同じくナーゲルスマンは選手として所属していた。しかし怪我で、選手としてのキャリアを終えざるを得なくなる。そしてトゥヘルのために対戦相手の分析を務めたのだという。

 時を超えて、ナーゲルスマンは、“対戦相手の”トゥヘルをどのように分析するだろうか。

 ポルト戦ではシャヒンも後半の45分間をプレーし、風邪を引いて少し戦列を離れていたギュンドアンも先発に戻ってきた。ライトナー、カストロ、香川も含めて、特に中盤の競争は激しさを増している。過密日程が続くことを考えれば、ポルト戦からローテーションの可能性は十分にあるだろう。

 ホッフェンハイム戦では、選手たちやメディアだけでなく、ナーゲルスマンもトゥヘルに振り回されることになるのかもしれない。

【了】

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