「いろいろ試している中で勝ち続けている」
良くも悪くも、今、ボルシア・ドルトムントはトゥヘルの実験場となっている。
2016年2月25日、アウェイでFCポルトを1-0で下して、2戦合計3-0としたBVBは、ヨーロッパリーグのラウンド16に進出する。イングランドのトッテナムと対戦することとなった。
それでもポルトとの2ndレグについて、監督トゥヘルは「リズムを外しているオーケストラのようだった。さらにステップアップして行かないといけない」と、決して満足することはない。
そういった常により良いものを求める姿勢の表れなのか、後半戦でトゥヘルは、前半戦に比べて積極的にローテーションを組んでいる。ポルト戦の後で香川は、チームとしての戦い方がいろいろと変わる中で、順応していく時間の必要性も含めて、難しさを感じていることを口にした。
もちろん目の前のパフォーマンスにも依るのだろうが、カストロのように、第20節ヘルタ戦、第21節ハノーファー戦とスタメンに名を連ねていても、第22節レバークーゼン戦ではベンチ外になることがある。ELのラウンド16に進出したように、結果を残している中でも、個々の選手への要求が高くなっていく。選手たちの間では、少なからず戸惑いがあるようだ。
しかし香川が「いろいろ試している中で勝ち続けている」とも言うように、トゥヘルの実験には、結果が伴っている。ELだけでなく、ブンデスリーガでは2位に付け、DFBポカールでは準決勝に進出している。
25日付の『キッカー』誌に対して、ハンス・ヨハヒム・ヴァツケ社長は「素晴らしいね。全ての領域で輝きを放っている」とコメントを残した。トゥヘルが残し続ける成果に、少なくとも社長はご満悦のようだ。