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大宮、主力残留で準備万端。失意の降格から1年、明確なスタイル構築で再びJ1の舞台に舞い戻る【2016補強診断】

text by 編集部 photo by Getty Images

力を蓄えつつ進化。徐々に大宮のアイデンティティを見出す

家長昭博
家長昭博【写真:Getty Images】

 J2降格を味わった選手たちはそれぞれが悔しさを胸に残留を決断した。一般的に降格したチームは主力選手が引き抜かれていくが、残った戦士たちの決意は固かった。渋谷監督の下一致団結し、第15節以降首位の座を譲ることなく優勝でJ1昇格を掴み取る。

 全42試合という厳しいスケジュールの中、8敗を喫したが3連敗は一度もなく、年間を通して安定した戦いぶりが目についた。2トップのムルジャと家長を縦の関係で配置する4-4-2をベースに据え、各ポジションの役割を明確にした結果だった。

 攻撃の全権を握る家長が“王様”として前線に君臨し、ムルジャは広範囲に動き回って攻守に大きく貢献。中盤ではカルリーニョスが防波堤となり、両サイドの泉澤仁と横谷繁がそれぞれの持ち味を生かしてチャンスメイクする。J1での経験が豊富な菊地光将と河本裕之を中心とした守備は堅牢そのもの。新加入のGK加藤順大と塩田仁史の存在も大きかった。

 毎年残留争いに巻き込まれていたチームが順調に勝ちを重ね、クラブが将来に向けた基礎作りに成功した。1年間J2を経験したことでタフさが増し、勝ち癖をつけたこともプラス要素だ。それでもJ1で上位に進出するのは難しいかもしれない。まずは再び安定してJ1に残れる力をつけることが重要になる。

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