トップ下でなぜ香川は苦戦したのか?
チームが次のラウンドへ駒を進める中で、香川真司は、これまでとは違う役割に苦しんでいるようだ。このポルト戦では、中盤の構成がバイグル、ギュンドアン、香川となるなど、前半戦を通して見られた先発陣となった。
しかし香川のポジションが、これまでは主にインサイドハーフであったのに対して、ポルト戦では1stレグと2ndレグの両方でトップ下を務めている。
試合後に香川は「監督もボランチとCBの間でボールを受けて欲しいと常々言っています」と説明する。トゥヘルの指示で、ポルト戦はトップ下のポジションに入った。しかし下がってボールを受けることもあるインサイドハーフと違って、バイタルエリアで受けようとするトップ下は、相手からのプレッシャーの質が違う。
香川は「ボールを受ける回数が減ったし、ここのトップ下はなかなか難しいですね、正直」と言う。
BVBの一番の強みである両ウイングを、どのように活かしていくかというチームの狙いもある中で、トップ下の役割をどのように消化していくのか。香川は、そういったところに難しさを感じている。
そして、これまでとはまた違った要求は、香川に対してだけではないのだという。
それがどのような作用をもたらすのかは、まだ分からない。ドルトムントが勝ち進むにつれて、チーム全体に対するトゥヘルの要求は、ますます高まっているのである。
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