目標は高く、J1定着のために重要な1年
これまでプレーオフを経てJ1に昇格したチームはすべて1年でJ2降格を余儀なくされてきた。福岡はそのジンクスを打破しようと目標を掲げている。今年は「勝ち点46」を目指し、残留ではなく中位進出を目論んでいる。
クラブとして5年ぶりのJ1の舞台、まず1年目で結果を残し定着のための礎を築きたいところだ。そのために移籍市場でも継続路線でチームを強化すべく動いた。
まずはJ1仕様の守備を実現するため、昇格の立役者・中村が抜けたGKに韓国代表のイ・ボムヨンを獲得。DFには川崎Fでくすぶっていた實藤友紀と千葉で評価を高めたキム・ヒョヌン、中盤で汗をかけるダニルソンを迎え入れている。
一方、前線はJ3に降格した大分から為田大貴を獲得したのみだった。昨季途中に加入し18試合で7得点を挙げたウェリントンはJ1での実績に乏しく、どこまで通用するか未知数な部分もある。得点源として頼らなければならないが、エースは若干心もとない。
J1で中位に絡むためには、チームとしてだけでなく個のスケールアップがこれまで以上に重要だ。J2を席巻したとはいえ、上のカテゴリで同じことをできるほど現実は甘くない。
井原監督は2年目のシーズンを迎え、ベースは引き続き変わらない。戦術を再構築しなくてよいアドバンテージを活かし、チーム作りと並行してハードワークを重ねてここのクオリティを上げることが残留、そして目標達成のための近道だろう。
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