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Jリーグ 9年前

新生FC東京は“日本らしさ”で勝つ。情熱の指揮官・城福浩が抱く熱き大志

text by 今関飛駒 photo by Dan Orlowitz , Getty Images

情熱的な指揮官が語る“日本らしさ”

ラミレス
江蘇蘇寧が獲得したブラジル代表MFラミレス【写真:Getty Images】

 そして、FC東京はACLで江蘇蘇寧と同じグループに組み分けられている。冬の移籍市場で巨額の大金を投じ、次々と大物選手を“爆買い”してきた中国クラブの中でも代表格といえるクラブだ。

 事実、彼らはチェルシーからブラジル代表のラミレス、シャフタール・ドネツクからアレックス・テイシェイラという二人の強力な攻撃陣をメンバーに加えている。移籍金は合わせて100億円を超える天文学的な額だ。さらに元ブラジル代表FWジョーも獲得するなど、移籍市場で猛威を振るっている。

 目下、FC東京にとって最大のライバルとなり得る存在だが、城福監督は3月に迎えるこの試合について考えるべきは“今”ではないと語る。

「僕らは今年のテーマで『THIS GAME』という言い方をしていて、『今、このゲーム』なんです。なので、テイシェイラ、ジョー、ラミレスの言葉は彼らに出してないです。とにかく今、目の前の試合に全てを注ぐというのを繰り返していく中でそのタイミングが来ると思うので、その時に我々ができる万全の状態で臨みたいと思います」

 今季のACLでは、すべてのJクラブが中国クラブと対戦することとなる。爆買いを続ける中国だが、だからこそもう一度“日本らしさ”を考えることを提唱している。

「今の中国経済がピークかどうか分かりませんけど、少なくともサッカー界のお金の使い方はピークを迎えているのかなと思います。そういう中で日本らしさとはどういうものかをもう一度僕らが考えなきゃいけない。そういう舞台になってきたのかなと思います。日本が、Jリーグが負けないようにヨーロッパの選手を獲れるかっていったら無理なわけですから、日本らしさ、Jリーグらしさをいかに出すかっていうことだと思います」

 城福監督の心には、過去に獲得したタイトルへの虚栄心や初戦を大勝したことへの慢心などは皆無だ。しかしながら、情熱的な姿勢は以前と変わることはなく、今なお熱い思いを胸の内に秘めている。話しを通じ、静かながらその燃えたぎる闘志を私は感じた。

 熱いハートを持つ城福監督は、常にクラブの未来を見据えている。そして、青と赤をまとうチームは、指揮官とともに確かにその一歩を踏み出しているのだ。

【了】

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