『9-0』。FC東京、圧勝でACL本大会へ
『9-0』。試合終了後のスコアボードに示された結果は、圧勝以外の何物でもないスコアだった。
FC東京は、ACLプレーオフのチョンブリ戦で全Jクラブの先陣を切って今季初の公式戦を迎えた。そして、クラブ史上最多得点記録という大勝で4年ぶりとなるACL本大会出場権を見事に掴み取った。
「簡単な試合ではなかった」。城福浩監督は新たな船出をそう振り返った。2009年にFC東京でナビスコカップを制した54歳の指揮官は今年、6年ぶりのクラブ復帰を果たしている。
相手は、去年のプレーオフで柏レイソルを延長戦にまで追い込んでいる。さらに、他のJクラブと比べて2~3週間ほど早く公式戦を迎えることが、城福監督率いるチームに緊張感を与えていた。
「準備としては非常に難しい準備を強いられたゲームでした。去年の柏の苦戦が僕らにとってポジティブに働いたので、非常に緊張感を持って臨めたというのはあります」
歴史的大勝を収めた城福監督だが、「最終的に3点目、4点目が入ったところで相手が崩れてくれて9点取れたので大勝にはなりましたけど、スコアほどの差はなかったと思う」と決して満足はしていない。あくまで、指揮官の目指すものはその先にあるのだ。
【次ページ】チームに生まれた“慢心”