過去の憧憬にすがる会長。現場にかける過度なプレッシャー
「監督の来季の確約? そりゃあ今季の残りの試合で全部勝利すれば(来季も)確約せざるをえなくなるだろう。3位入賞かコッパ・イタリア制覇のどちらかではなく、両方をこなさなければならない」
「私は彼に、常にミランは敵陣で戦えと指示を出している。美しいプレーをし、相手を支配して勝つのが私のミラン。バッカがあれだけ素晴らしいFWなのに点が取れていないのは、ほとんどの時間で彼は(パスが来ないので)消えているからだ」
「ミランにはいい選手が揃っている。(マリオ)バロテッリだって練習中は凄いシュートを決めているではないか。彼が活躍できていないのはプレーエリアのせいだ。下がるのではなくゴールのそばでプレーしなさいと、私はいつも彼に言っているのだが」
現場のことは現場に任そうという考えはこの人にはない。金も出せば口も出すし、しかも自分がサッカーを深く理解し、崇高な理念を持っていると確信しているから強気に出るのだ。
オランダトリオを擁して、ゾーンプレスとともに国内外のタイトルを取りまくった黄金時代の憧憬から離れられない彼は、現実を受け入れるどころか、なぜそれができないのだと現場にプレッシャーをかけるのである。
つまりミハイロビッチのもとでのハードワーク路線も、ベルルスコーニの理想から遠く評価の対象にはならないということなのだ。