中村憲剛(左)とフランチェスコ・トッティ(右)【写真:Getty Images】
フランチェスコ・トッティは、今季限りでキャリア一筋23年を過ごしたローマを退団するのではと言われている。ローマのルチアーノ・スパレッティ監督が、試合前に「君はもういらない」と告げたことで、激怒したトッティはそのまま帰宅してしまったという。
川崎フロンターレの中村憲剛は、トッティがローマを退団することになれば「寂しいこと」と語っている。
「トッティもローマ一筋でやってるわけだし、監督としてもチームの戦い方っていうのはあるわけだから、そこが相いれないところまで来ている。ニュースを見てびっくりしました。ケンカ別れしちゃったらイヤだなっていうのはあります」
2003年に中央大学から加入して以降は川崎F一筋でプレーし、キャプテンも務めるという点で、中村とトッティには共通点がある。また、国もクラブも違えど、互いに“バンディエーラ”(クラブを象徴する選手)でもある。
中村はトッティとスパレッティ監督の両方に理解を示しつつも、寂しそうな表情で自分なりの意見を述べた。
「トッティもパフォーマンスで示していくしかない。練習でも違いを見せるとか。監督がなかなか使うのが難しいとなっているなら難しい問題だから、様子を見てみないと分からないですよね。でも、トッティはローマのバンディエーラでありシンボルですから。今は移籍制度も変わって選手も移籍しやすくなっている。長くクラブにいる選手は多くないから、監督もリスペクトしなければならない。でも、やっぱり難しいですね。どっちの言い分も分かります」
また、35歳の中村は「自分もそうなったら分からない」と、トッティの境遇に自分を重ね合わせている。
「自分も遠くないですからね…、39歳は。自分も多分そういう時が来るだろうから、他人事ではないなっていう感じはします。トッティのニュースは」
現在トッティの去就は不透明となっており、国外への移籍または今季限りでの現役引退もささやかれている。中村も注目するこの騒動は、どのような結末を迎えるのだろうか。
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