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スタメンに戦術…肩透かしを食らわせたドルトムント。相手に“呑まれない”トゥヘルの選択

現在ブンデスリーガで2位と3位に付けているドルトムントとレバークーゼンの直接対決は、ともにプレスを得意とするチーム同士の対戦だけにインテンシティの高い一戦となることが期待された。しかし、実際にはプレスを仕掛けるレバークーゼンに対しドルトムントはロングボールで対抗。予想外の先発メンバーも含めて周囲は肩透かしを食らった格好となった。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川は出番なし。負傷から復帰のベンダーが先発へ

トーマス・トゥヘル監督
トーマス・トゥヘル監督は「我々は多くのロングボールを蹴ったが、レバークーゼンのスタイルの結果なのは確かだ」と言う【写真:Getty Images】

 肩透かしを食らわせた。2016年2月21日のブンデスリーガ第22節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでレバークーゼンと戦う。

 試合の前から、BVBには心理的な余裕もあったかもしれない。2位と3位の直接対決とは言え、勝ち点差は13ポイントある。

 そして先発メンバーだ。前半戦は全く出番のなかったライトナーと、トップチーム昇格間もないプリシッチが初めて名を連ねた。負傷離脱から戻ってきたばかりのベンダーもいる。早速ベンダーを起用するあたりは、もはやトゥヘルの常套句である。

 18日のELポルト戦でのシャヒンの先発を見た後では、誰も驚かないだろう。しかしBVBの先発陣を知ったレバークーゼンのファンからすれば、少なからず「ナメられている」と感じたはずだ。

 サイドバックでもなくボランチでもなく、右のインサイドハーフというポジションに入ったギンターは、「ここでの試合はいつもナイフの刃の上でプレーするようなものだ」と言う。

 レバークーゼンは、4-4-2でボールをサイドに追い込み、人数を掛けてプレスで果敢にボールを奪おうとする。しかしドルトムントは、レバークーゼンの激しいプレッシングに対して、こちらもハイプレスで応酬はしない。時にはロングボールを使用し、そもそも相手のプレスを無効化した。

 トゥヘルは「我々は多くのロングボールを蹴ったが、レバークーゼンのスタイルの結果なのは確かだ」と言う。

 ドルトムントは、決して相手のペースに呑まれることはなかった。前半にはセットプレー以外ではほとんどチャンスを与えず、最後の最後を許さない。そしてカウンターに出る。

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