最大の屈辱を味わって迎える2シーズン目
昨季は1年でのJ1復帰を目標に掲げ、それまで欠けていたリーダーシップを補完するため多くのベテランを獲得。チームは落ち着きを取り戻したかに見えた。しかしライバルたちが順調に勝ち点を積み重ねる一方で取りこぼしが多く自動昇格圏内を逃すと、J1昇格プレーオフでは福岡に敗れた。最大の屈辱を味わって迎える2シーズン目は全員の覚悟が試される。
その証拠が補強にも表れている。中盤の大黒柱だった山口蛍は海外移籍を選択したが、バーゼルからかつてのエース柿谷曜一朗が復帰。さらにドルトムントで修行を積んだ丸岡満も帰還した。川崎Fで主役になりきれなかった杉本健勇も慣れ親しんだ仲間たちのもとへ戻り復活を期す。
さらに外国人選手も実力者が揃っている。中盤の中央で起用されることが濃厚のソウザは高い守備力と展開力をバランス良備えており、山口の穴を埋める活躍を期待される。ブルーノ・メネゲウとリカルド・サントスは共に得点王争いに絡むことも可能なほど能力が高い。
他に金沢で得点を量産した清原翔平や、鹿島から高い身体能力で相手を封殺する山村和也が加入して選手層はより一層厚みを増した。昨季まで主力だった玉田圭司や扇原貴宏、関口訓充、田代有三、茂庭照幸、橋本英郎といった日本代表歴のある名手たちも安泰ではなく、Jリーグ屈指のレベルでポジション争いが繰り広げられている。
今季はU-23チームがJ3に参戦するため大所帯で、なおかつJ2では圧倒的な陣容を誇るC大阪にはJ1自動昇格ないし優勝しか許されない。それ以外であれば完全に失敗とみなされてしまう覚悟の2016年が始まろうとしている。