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リークによる“情報公開”がサッカー界にもたらす混沌。“暴露サイト”と流出元が語る問題の本質

text by 中山佑輔 photo by Getty Images

間接的にではあるがFLはサッカー界を動かしうる

 FLが情報の透明化を要求しているいっぽうで、ドイエンも、投資家を募りやすくなるという事情もあることから、透明性が必要だと主張している。

ドイエン「ドイエンは、TPIの活動のなかで透明性をもたらそうと努めている。このビジネスを行っている会社のなかで、ウェブサイト上であらゆる取引を公開し、メディアの質問に定期的に回答しているのは我々だけだ。

 我々は、こうした活動に関する規則が、皆にとって有益であると信じている。それによって、投資家を一層引きつけ、より規模の大きいコンペティションを生み出し、クラブにとってより良い状況を作ることもできる」

 そしてドイエンはFLが透明性を要求することを批判した。

ドイエン「先日罪を犯したと警察に特定され、国際的な犯罪ネットワークとみなされているFLが透明性を要求しているということは、ばかげたことだ。

 彼らが匿名を守っているということ自体が不審なもので、彼らの目的が金銭的な利益を得ることだということは、明らかになっている」

 金銭的要求が本当にあったのか否かは今のところ定かではないが、FLのコメントによると、情報の透明性を担保した先にFLが求めていることは、フットボール界の信頼を回復することだ。FLはどうすればそれが達成できると考えているのだろうか。

FL「新しい移籍システム、選手エージェントと投資ファンドの限定的な活動、そしてあらゆる移籍の詳細と賃金に関する公的なデータベース、それらすべてを、厳しい規則とサッカー連盟ごとの監視とあわせれば事足りるに違いない」

 サッカー界としても、投資家や投資ファンドを完全に追い出すことは難しいだろう。一度肥大化したものを強引に縮小させるのは決して簡単ではない。FLも投資サイドを100%排除することは要求していない。

 ただ、FLが提案するようなシステムが生まれていない現在の状況では、FLの活動は続くものと思われる。彼らの開示する情報すべてが正しいかどうかはわからない。だが、トゥウェンテの件がそうであったように、各協会等が調査を始めるきっかけとして、FLが間接的にサッカー界に影響を与えていくということは、大いに考えられる。

 どちらが正義で、どちらが悪かという安直な結論を導き出すことは極めて困難であるし、そのような単純な二元論が有益だとも思えない。暴露サイトと投資ファンド、どちらの言い分が世の中に受け入れられていくのかについては、今後の展開を見守るほかないだろう。

【了】

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