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リークによる“情報公開”がサッカー界にもたらす混沌。“暴露サイト”と流出元が語る問題の本質

text by 中山佑輔 photo by Getty Images

FLにかけられた脅迫疑惑

FLがドイエンに脅迫メールを送りつけたという「ミラー」の報道
FLがドイエンに脅迫メールを送りつけたという「ミラー」の報道

 2016年1月23日、英国メディアの「ミラー」は、FLが金銭をゆすりとろうとドイエンに脅迫メールを送りつけ、ポルトガル警察が捜査に動いているという記事を掲載している。

 この脅迫の件について、ドイエンとFLの両者に尋ねると、ドイエンはその事実が確認できているとした。

 ドイエン「かのサイトの運営者たちが我々にコンタクトをとり、沈黙と引き換えに弊社から金銭を引き出そうとしたということは断言できる。

 また同サイトの運営者たちは、一定期間書類の公開を中断し、さらには彼らのウェブサイトからドイエン・スポーツに関するものを削除するかたちで、彼らの“誠意”を示していた。

 しかし、我々には秘匿すべきものなどない。だから我々は彼らの要求に応じなかった。我々の取引、契約はすべて、公証人の立会のもとになされているし、弊社は4大監査法人のひとつから定期的に会計監査を受けている。

 そして我々は、我々とクラブが交わしたあらゆる取引について、クラブ側が彼らの所属するリーグ、連盟に登録することを求めている」

 ドイエンは「ミラー」の報道を事実だと認めた。しかし我々はFL側から真逆の回答を受け取ることとなった。

FL「ドイエンの申し立ては滑稽だ。我々はドイエンをはじめ他の企業体とコンタクトはとっていない。そもそもドイエンだけが恐喝メールについて言及するというのはおかしいことだと思わないか?

 我々は相当数のクラブや投資ファンドが関係する書類を公開してきたが、今日に至るまで、ドイエン以外の誰もそうしたメールについて言及していない。このことはまったく、FLの信用を失墜させようとする必死の試みのように思える。

 そして実際、この件に関する『ミラー』の記事を執筆したエド・マリヨンが、ポルトガルのソースから情報を得ていると主張していることは気になるところだ。

 一体誰からだというんだ? ポルトガル警察か? 我々がこれを知りたい理由は、ここポルトガルには『segredo de justica』と呼ばれるものがあるからだ。これは英語の同義語をあげれば『非公開裁判で(in camera)』ということになる。

 進行中の捜査について、警察は誰も口を開かない。だから、ソースが実際にポルトガル警察だとしたら(ドイエンの本部はロンドンにあるわけでもないし)、それは本件において警察が法を犯していることの証左になるわけだ」

 FLとドイエン、両者の回答はあまりにも食い違っていた。

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