あまりに痛い森岡とチョン・ウヨンの移籍
今季もネルシーニョ監督のもとで上位進出を目指すことになるが、チームは変革を迫られている。攻撃の要である森岡亮太がポーランドのシロンスク・ブロツワフに移籍してしまったからだ。
2010年に加入した生え抜きのスターは、神戸の攻撃を一手に引き受けてきた。巧みなボールキープやアイディア溢れるパスは観衆を魅了し、チームにゴールという結果だけでなくエンタメ性をももたらしてきた。森岡に頼ってきた得点を奪う作業をどう変えていくか。名称の手腕と残った選手たちの奮起が求められる。
そしてボランチのチョン・ウヨンも失っており、センターラインの軸を一気に2人欠いたことはチームに大きな影響を与えるはずだ。さらにCBも増川洋一とブエノが退団し、駒が足りない状況だ。高橋祥平は能力が高く、岩波拓也もリオ五輪アジア最終予選を戦うなど日の丸を背負い大きく成長している。
一方で前線はマルキーニョスがチームを去ったが、昨季はあまり起用されていなかったため戦力ダウンにはならない。今季もレアンドロ、渡邉千真、小川慶治朗、石津大介といった面々で争うことになる。いずれも前への推進力があり、縦に速い攻撃で力を発揮してくれるだろう。
昨季から変化が加わる中、波をなくすことも今季の課題の一つだ。好調を持続するだけでなく、なるべく不調の時期を少なくすることが、悲願のタイトル獲得のためには重要となる。
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