香川も認める、チームを良い方向に導く「違う」存在
もっともトゥヘルは、シャヒンの出場について「疑わしい」と述べただけで、「出場しない」とは一言も口にしていない。体調は万全ではないというだけのことで、可能性は0ではなかった。
しかし風邪を引いたにもかかわらず、「ハイレベルな挑戦」と捉えていた一戦で突如(少なくとも周囲にとっては)起用するところに、トゥヘルがいかにシャヒンを評価しているかが伺える。
香川は、ポルト戦のシャヒンを次のように評する。
「彼のボールを捌くリズム、精度というのはやはり、チームに違うものをもたらしてくれると思います。コンディションがさらに上がって、試合感覚がさらに上がれば、もっとチームにとっての良いところに繋がると思います」
それはつまり、トゥヘルもドルトムントに「違うもの」を導入したがっているということなのかもしれない。16日にBVBはスペイン人のMFミケル・メリーノを、7月1日からの契約でCAオサスナから獲得したことを発表した。
今では異分子こそが、チームを活性化させる。良い方向に導く「違う」存在として、シャヒンはポルト戦のピッチに立ったのだ。トゥヘルは「我々はこれ以上彼を止めておくことが出来なかった」と述べたが、言い換えれば、まだまだチームの発展に飢えているということだろう。
シャヒンは57分に退いた。CLのグループステージを敗退して回ってきたポルトは、ELに対するモチベーションの低さを表すように、守備も含めて戦い方のスタンスがはっきりしなかった。
シャヒンに代わったライトナーにも上手く対応できず、ドルトムントは後半に上手くボールを回した。71分にはロイスが追加点を挙げ、1stレグは2-0でドルトムントが勝利した。
シャヒンの先発=BVBの進化への飢えが示された、対FCポルト戦だった。
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