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不振のFW、負傷のMF、謹慎処分のDF。チェルシー戦の勝利でPSGは“不安材料”を払拭か

CLラウンド16ファーストレグで、PSGはチェルシーに勝利した。国内リーグでは対戦相手との実力差を見せつけるPSGだが、CLの舞台では事情が異なってくる。さらに選手の不調や謹慎処分などの不安材料もあった。“花の都”に本拠地を置くチームの戦いを、4つのポイントから振り返る。

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

問題発言により謹慎となったオーリエ

謹慎処分を受けているセルジュ・オーリエ
謹慎処分を受けているセルジュ・オーリエ【写真:Getty Images】

 3年連続となったPSG対チェルシーの対決、第1レグはホーム側のPSGが2-1で制した。

 2-1というのは、CLのノックアウトステージでは非常に微妙なスコアだ。第2レグで相手に1-0で逃げ切られたら終わり。そしてそれは十分に起こりうる。その分見る側にとってはエキサイティングでありがたいのだが……。

 さてこのチェルシー戦、PSGにとってはいくつか注目すべきポイントがあったので、それらをピックアップしてみたい。

1.オーリエ事件

 この試合の2日前、PSGの右SBセルジュ・オーリエがチームや監督をボロクソにこき下ろしているとんでもない動画が、ライブ配信アプリPeriscopeに出回った。

 ビューワーの質問に答える、という形で録画されたもので、この中でオーリエは、ブラン監督に威厳はなく、ロッカールームの主はイブラである、というような内容のことも臆面もなくしゃべっていた。

 一緒に映っていた友だちがアップしたのかは知らないが、ジョークだったにしてもあまりに強烈な内容で、クラブからはわずか数時間後に『事実関係を確認するまではオーリエを謹慎にする』という旨の公式リリースが回って来た。

 すなわちチェルシー戦にオーリエは出場できなくなったわけだが、現在のPSGにおいて、右サイドバックのベストプレーヤーはオーリエであり、今季は開幕からほぼフル出場している彼をチェルシー戦で起用すべく、ブラン監督は3日前のリーグ戦ではファン・デル・ヴィールを使ってオーリエを休ませていた。

 その目論みがはずれ、試合後の会見でブラン監督が「月曜日の練習で代替え布陣を急きょ試した」と語ったように、PSGは試合直前での戦略プラン変更を余儀なくされたのだった。

 結果、本職がセンターバックのマルキーニョスをサイドで起用したが、ディフェンス力は高いものの攻撃参加ではオーリエに及ばない。右サイドからの仕掛けが消極的になったのは否めなかった。指揮官いわく「よりオフェンシブに行きたい」という第2レグでは、ファン・デル・ウィールの採用も検討するという。

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