フィッカデンティ招聘で遅れを取り戻す。選手補強は…
藤田と水沼の退団によってクラブのビジョンがぶれていると判断され、マガト監督の招聘には失敗した。それでもFC東京の監督を退いていたマッシモ・フィッカデンティ氏を新指揮官とし、遅れを取り戻した感がある。
一方、選手補強は決して万全ではない。楠神順平や藤田優人など確実に計算できる戦力がいる一方で、小粒感は否めず抜けていった選手の穴を埋められているわけではない。とりわけボランチの層は薄く、Jのトップクラスと張り合えるメンバーではない。
FWは実績に乏しい富山貴光を獲得したのみで、今季も豊田の得点力に頼るしかなさそうだ。4年連続で15得点を上げているとはいえベテラン1人にシーズンを通してフル稼働を望むのは難しい。
フィッカデンティ監督がFC東京で取り組んできた強固な守備組織構築は、鳥栖にとっても喫緊の課題であり、クラブを再浮上させるための重要な要素。ビジョンに合った理想の指揮官とともに、かつての堅守を取り戻せれば道を切り開けるはずだ。
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