パリ同時多発テロ事件への恐怖は終わっていない【写真:Getty Images】
昨年11月にフランスで発生したパリ同時多発テロ事件で、当時の事件発生場所のひとつであったスタッド・ド・フランスで警備員をしていた男性が、『フランス・アンフォ』でのインタビューでその時の様子を語っている。
事件当日、スタッド・ド・フランスではフランス対ドイツの親善試合が行われており、8万人のサポーターが詰めかけていた。スタジアム外で爆発音が3回鳴り響いたが試合はそのまま続けられた。
その後、市内のレストランなどで武装集団が次々と一般市民を襲撃し、多くの命が犠牲となった。
スタジアムで警備を担当していた32歳のオマール・ドモギ氏は、目の前で自爆テロが起きたことを明かしている。
「ゲートの近くで、ある男性が近づいてきた。私は下がるように言ったが、彼は平然としており、焦っている様子はなかった。その時、彼はベルトを爆発させた」
ドモギ氏は現在も病院に通っており、激しいトラウマに苦しんでいることを告白した。
「もはや歩くことや話すことにも支障が出てしまった。私はもう以前の私ではない。今も、アフガニスタン人や中央アフリカから帰ってきた人々と共に軍事病院にいる。私は戦争に行った結果、ここにいるのではない」
今年6月にはフランスでEURO2016の開催が予定されており、再び多くのサポーターがスタジアムに足を運ぶだろう。
悲惨なテロ事件は多くの人の命を奪うだけではなく、生き残った人々の心にも深い傷を残す。テロ事件から3ヶ月が経過したが、いまだテロへの恐怖は終わっていない。
【了】